「水脈」と「鉱脈」を読む人になる (その1)

── Spica(スピカ)が教えてくれた、これからの役割

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封筒の中の一枚の紙に、こう書いてありました。

「世界中の輝きを解き放つ」

はじめに - Spicaからのメッセージ

人生の節目に、
ふと「自分の役割」を確かめたくなることがあります。

何を成し遂げたか、ではなく。
これから、何を手放し、何に時間を使うのか。

1年ほど前、
私は私自身のホロスコープを読み解いていただく機会がありました。

占いを“信じる/信じない”でいえば、少し冷静な側です。
占いは、未来を当てる道具ではない。意思決定を委ねるものでもない。

それでも、
今回だけは、なぜか刺さりました。
専門家の方から届いたメッセージは、こうでした。

Spica
あなたの人生のテーマは、
「世界中の輝きを解き放つ」です。
(中略)
あなたの人生のテーマを助ける鍵:「素早い機転と対応」

最初は言葉が大きすぎて、
少し距離を置きたくなりました。

ただ、これまでの自分の仕事と照らしたとき、妙に整合したのです。

私はずっと、「輝き」を見てきた。
同時に、その輝きが出ない理由も見てきた。

そしてその理由は、いつも“地下”にありました。

地表が整うほど、主体性が遠のくことがある

私はこれまで、
組織の変化の現場で何度も同じ光景を見てきました。

合理的な制度。
整った構造。
正しいロジック。

それ自体は、とても大切なものです。

提示された瞬間、場は表面的に盛り上がる。
「なるほど!」「確かに!」「勉強になります!」

良い話として、いったん熱が上がる。
けれど、その熱の裏で、もう一つの流れが起きることがある。

人が、自分の足で歩くモードから、静かに離れていく。
主体性や自律性という“スタンス”が、わずかに後退していく感覚。

否定はされない。反論も起きない。
むしろ“良い話”として処理されて終わる。

そして後から、会議やセッションの記録を振り返ると、
そこが決まって分岐点になっていることに気づく。

言葉は成立しているのに、言葉が届いていない。
合意はあるのに、当事者性が残っていない。

私はこの現象を、
長い間うまく説明できませんでした。

けれど最近、ようやく呼び名が定まりました。

地下には「水脈」と「鉱脈」がある

私はいま、組織や人の“地下”を、こう捉えています。

  • 水脈:恐れ、期待、遠慮、諦め。流れているのに見えないもの。
    ── 濁る/詰まる/流れが止まる、という形で現れる

  • 鉱脈:言えなかった怒り、未処理の不満、長年の恨み、誇り。
    ── 重いが、掘り起こせばエネルギーになる

 

地表は整えられる。

制度(内装)は変えられる。
組織図(壁)も書き換えられる。

 

でも、地下の水脈が濁っていたら、流れは続かない。
地下に鉱脈が眠ったままだと、

本来のエネルギーは使えない。

そして厄介なのは、
地表が整うほど、地下が黙ることすらある点です。

「正しい」ことは、同意を引き出す。
そしてその同意が、ときに沈黙をつくる。

私はその沈黙を、何度も何度も見てきました。

0.5秒の間(ま)
言い直されない言葉
飲み込まれるため息

そこに、地下の状態が出る。

「輝きを解き放つ」とは、褒めることではない

スピカの言葉を読んだとき、最初私はこう捉えていました。

「才能を見つけて、励ます人」
「良いところを言語化して、勇気づける人」

もちろん、それも一部です。
でも、私が現場で実際にやってきたのは、
もっと地味で、もっと泥臭い仕事でした。

輝きを“見つける”以前に、
輝きが出ない理由の方を扱う。

  • なぜ、その人は力を出せないのか

  • なぜ、その場は自律に向かわないのか

  • 何が水脈を濁らせ、どこに鉱脈が埋まっているのか

言葉にできないものを、言葉にする。
しかし、言葉で裁かない。掘りすぎて傷つけない。

その塩梅こそが、たぶん私の仕事の核でした。

だから、
私にとって「輝きを解き放つ」とは、
こういう意味です。

地下の水脈・鉱脈を捉え、
眠っているエネルギーを、使える形にする。
その結果として、才能が輝き出す。

「素早い機転と対応」は、武器であり、課題である

もう一つの言葉、「素早い機転と対応」

これは私にとって、
褒め言葉であると同時に、危うさでもあります。

私は空気の変化を早く拾う。
詰まりや矛盾を早く見抜く。

だから「次の一手」をすぐ出したくなる。
でも、早い一手は、ときに“地表だけ”を整えてしまう。

本当は地下に触れる必要があるのに、
「正しい話」を先に置いてしまう

だから私は、機転を「スピード」ではなく、
「手順」として扱う
ことにしました。

  1. いま何が起きているか(観察)

  2. その地下で何が動いているか(仮説)

  3. 次の一手は何か(小さな実験)

そう、決して早く答えない。絶対に早く直さない。
まずはじっくり地下を確かめる

それこそが、
私にとって「成熟した機転」だと思っています。

あなたの周りの「輝き」は、どこに眠っていますか

もしあなたが今、

「正しいことをしているのに、場が変わらない」
「合意はあるのに、当事者性が残らない」
「任せたいのに、主体や自律に向かわない」

そう感じているなら。
きっと、地下に水脈と鉱脈があるのかもしれません。

あなたの周りにも、まだ言葉になっていない“輝き”はありませんか。

それは、誰の中に眠っていて。
何に詰まり、何に塞がれているでしょうか。

私は、その地下を観測し、言葉にし、流れを取り戻す側でいたい。
それが、私の使命であり、これからの生き方です。

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もしあなたが、

・人や組織の“詰まり”を感じているとき
・正しさが通じなくなった感覚があるとき
・誰かの力を引き出したいのに方法が見えないとき

この投稿がひとつの観測点になれば幸いです。

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私は、現場で拾い集めたこれらの欠片を、
これからも少しずつここに置いていきます。

誰かの才能が、
本人のものとして立ち上がるために。